法律/著作権関連/SmartNews
提供: kimoto's wiki
目次
基本的なこと
ベルヌ条約ってなに?
国際的に著作権を守ろうとするための国際的なルールっぽい。これができるまではたとえばアメリカの著作物がフランスだと勝手に配布されてたりとかして著しく著作者の権利が侵害されてた。
送信可能化された情報の送信元識別符号とは
これはURLのこと(難解な表現だ)
検索サービス、という言葉の定義はなに?
「検索サービスは必要範囲内で複製と翻案が出来る」と言われているが、検索サービスとは実際のところどのような定義なのか。
例としてGoogleやYahooが挙げられているが、具体的にこの検索サービスの定義がどのような範囲に限定されているのか。個人の感情としてはSmartNewsは明らかにこれに該当しない気がするが該当しないという確証がない。実は原文にはそもそも情報検索サービスという言葉自体がない。
考察
広告除去は同一性保持権については影響ない
まず著作権というのは創造的な表現に対して発生する権利であって、広告が除去されたからといって著作物の同一性は保持されたままであると思う。広告が何か特殊な芸術性に加担していたらそうではないかも。
公衆送信権侵害の可能性がある
同一性保持権的には問題ないが、公衆送信権(自動公衆送信)では問題があるかもしれない。ニュース記事という著作物を不特定多数からのアクセスに対して配信していたら当然ながらこれを侵害しているわけだから、公衆送信権の侵害である可能性がある。また、ニュースサイトをクロールした結果をサーバー上にアップロードしていると解釈すれば、送信可能化権の侵害でもあるかもしれない。しかしこれらは親告罪であるから著作者からの意思表示がなければまだ侵害かどうかはわからない。
さて、これを回避するためにSmartNewsが「検索サービスであり、キャッシュについては複製、翻案は著作者への許諾が要らない」と主張をしているのであれば、次はSmartNewsが検索サービスといえるかどうかについて考える必要がある。
SmartNewsは検索サービスかどうか
検索サービスという言葉自体は元々の著作権法の法文では存在しない。ただし"検索エンジンの目的"として著作権法 法令に以下の記載がある
「検索エンジンが、オリジナルのウェブサイトに取って代わるものとなり、 権利者の利益に悪影響を及ぼすことがないよう、その目的については、 利用者の求めに応じ著作物の所在情報を提供し、著作物の内容の紹介を通じて、 その著作物が存在するオリジナルのウェブサイトへの誘導を 専ら目的とするものと定義するのが適当と考えられる。」
なるほど。SmartNewsはこれを利用するために「もともとのサイトの表示が遅いのでしかたなくキャッシュしたものを表示させていますよ」という体裁にしているのだな。
しかしながら、そもそも著作物の全文掲載という行為はキャッシュ出会ったとしても
「当該検索及びその結果の提供を行うために必要と認められる限度において、」
を満たせていないと思う。著作権というのは著作者の財産をまもるためのものであり、かつ検索サービスというのは著作者の財産を犯さない範囲で利便性のために存在しているものだから、これを検索サービスと呼ぶのはおかしい。またニュースサイトにとっての収益源である広告を除去しているのだからこれまた、著作権法の著作者の財産を守るためという目的にも反しているのではなかろうか。
備考
- 著作権法は難解なカードゲームのゲームブックっぽい
- 著作権施行令というので運用的なルールを定義している
- メタタグかrobots.txtで禁止された送信可能化コンテンツを取得するのはダメ、ただし後にわかった場合にそれをやめたらよいだけ。
- 「必要と認められる限度」の定義がなされていないのか
- 平成21年度著作権法改正は、"検索サービス"という言葉の適用範囲の広すぎる最悪な改正である。